フッ素のムシ歯予防効果

○フッ素はムシ歯を予防します

 ムシ歯予防にフッ素が有効だということを聞いたことがある方も多いでしょう。では、フッ素はどのように作用してムシ歯を予防するのでしょうか。
 子供たちの生えた直後の歯は、まだエナメル質の結晶構造(ハイドロキシ・アパタイトといいます)が完全ではなく成熟していません。
 そのため唾液中のカルシウムが不完全な部分に取り込まれてエナメル質が強くなっていくのです。フッ素が作用すると、カルシウムの代わりにフッ素がエナメル質の結晶構造にとりこまれて、早期にエナメル質が強化されます。(これをフルオロ・アパタイトといいます。)
 また、ムシ歯菌の産生する酸によってエナメル質の結晶構造部分がこわされ、カルシウムが溶け出したとき(いわゆる初期ムシ歯の状態)、フッ素が作用するとそこにフッ素やいったん溶け出したカルシウムが取り込まれ、初期ムシ歯が修復されます。これが再石灰化と呼ばれる現象で、ムシ歯の進行を阻止します。
 さらにフッ素はムシ歯に直接作用して、ムシ歯菌の酸の生成を抑制するともいわれています。
 まとめると、フッ素は以下の3つの働きでムシ歯を予防するのです。
 1.フッ素はエナメル質と結びついて、歯を酸に溶けにくい丈夫な歯にします。
 2.フッ素は酸で溶け出してしまった歯の表面を修復し、元に戻すのに役立ちます。
 3.フッ素はムシ歯菌に作用して、歯を溶かす酸の生成を抑制します。


○フッ素の使い方にはいろいろあります。
        -----フッ素の局所的応用法


1.フッ素塗布
 定期的に(理想は3ヶ月に1度)、歯科医師や歯科衛生士にフッ素を塗ってもらいます。
 まだうがいができない小さな乳幼児や、永久歯の生えたばかりのお子さんのムシ歯予防に最適です。
 塗った後、30分はうがいや飲食を控えてください。

2.フッ素洗口やフッ素洗口液による仕上げみがき
 家庭で使えるよう十分低い用度に調整したフッ素洗口液を歯ブラシにつけて保護者が仕上げみがきをする方法です。仕上げみがき後はうがいや飲食をさせず、夜ならばそのまま寝かせてください。
 また4〜5才頃から、うがいが上手にできるようになれば歯ブラシ後、洗口液で1分間モグモグうがいをすることで同じ効果が得られます。
 フッ素の洗口剤は当クリニックにて処方します。

3.フッ素入り歯磨剤
 フッ素入り歯磨剤による歯みがきで、もっとも身近に利用されています。薬用成分としては、NaF(フッ化ナトリウム)やMFP(モノフルオロリン酸ナトリウム)などがあります。
 みがいた後は軽くうがいをさせますが、うがいのしすぎは口腔内からフッ素の有効成分を流してしまうことにつながりますので、うがいの回数や水の分量をなるべく少なくして下さい。
 磨いた後は、しばらく飲食をさけるか、そのまま寝かせて下さい。


○フッ素は安全です。

 さて、「フッ素は身体に有害じゃないの?」と心配されている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
 フッ素は、私たちの身体の中はもちろん、自然界(土の中、海や川の水、大気など)にあまねく存在し、食べ物や飲み物、例えば緑茶や塩、牛肉、海草、イワシや貝、エビ、リンゴや大根、みそなどいろいろなものに含まれています。
 ムシ歯予防に用いる程度の量なら、全く心配ありません。歯科医師や歯科衛生士によって正しく使用される場合は、人体に有害ではありません。もちろん、フッ素入り歯磨剤や洗口液も、安全なように濃度が考えられています。


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